Vol.02 催眠と休日の過ごし方

最終更新日:2020年2月1日

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集中とリラックスをコントロールする

── 萩原先生は普段日常生活の中で、ご自身で顕在意識と潜在意識をいったりきたりするきっかけとなるものをお持ちですか?

萩原:例えばアファーメーションとか、そういったことを唱えること自体も一種の自己催眠だし、リラックスするという感じになると思うんですよね。だから、そういうことは日常生活の中で自分で取り入れたりとかしていますね。朝起きて、例えば人によってはお仏さんに手を合わせてお祈りするとかそういうのも一つの習慣的なことになるわけですね。

習慣というのは、広く分けると習慣的にやっていることは催眠と言えるんですけど、もう一つの分け方として、顕在意識・潜在意識の間に、全潜在意識というか、その習慣的にやっていることは催眠と分けている考え方もあるんですね。

両方同じように入れてほとんど習慣的に意識しないでやっていることは広い意味では催眠状態になる。ですから、良い習慣を自分が身に付けていくことによって、例えば朝起きる時間にしてもですね。朝起きて決まった習慣でやっていることは一種の自己催眠、催眠に結び付くわけです。だから習慣とはとても大切だと思うんですね。

── 一般的にみなさん、平日にお仕事をして、週末になったら休日としていろんな趣味やリラックスする時間を取ると思うんですが、やっぱりメリハリっていうのもうまく習慣づけしていけるといいんでしょうか?

萩原:いいと思いますし、逆に必要じゃないかなと思いますね。今うつ病とかそういった形で、働いている人が職場から離れてしまう、離れざるを得ないことが増えているわけですよね。それはやっぱり、心身ともに酷使してリラックスする時間が少なくて、そういうことが続いていくことによって、自分がやっていけないような状態になってしまう心身ともに。ですからそういうところを自分である程度コントロールする、っていうことが必要だと思うんですね。

休みの日を区切りにして自分の時間を作る

── 職種によってもいろいろだと思うんですが、お仕事でかなり神経を使ったり集中してやらなければいけない方っていうのは、お仕事では集中って決めて、逆に休みの日になったら全く別なことで、リフレッシュするという感じですか?

萩原:そうですね。集中している状態っていうのは催眠状態なんですね。我を忘れている状態ですから。ですから例えばお昼休みとかはボーっとしたりして過ごすとか、そういう風な切り換えっていうのが必要だと思うんですね。

── やっぱりボーっとしたり頭をからっぽする時間というのが大事ですか?

萩原:とても大切だと思うんですね。いつも思考ばっかりで、頭をくるくる働かせるように私たちはできていますから、何も考えないということは大切だと思いますね。

── 休みの日も予定を決めて!というより、ゆっくり時間を過ごす方がいいですか?どっちが良いっていうのはないかもしれないんですが、先生のご経験で何かありますか?

萩原:人によって、ゆったり時間を過ごす方がその人にとってリラックスする時間になるし、ある人はドライブに行くとかキャンプに行くとか、アウトドアをすることによって心と体の切り替えが出来る。それぞれ、アウトドアが好きな人、アウトドアが苦手な人がいますよね?苦手な人は映画を見に行くとかでもいいですし。1週間連続でずっと過ごすよりも、休みの日は一つの区切りで自分の時間を作って自由に過ごせると、好きなことをするというのが良いんじゃないかと思います。

自分にとっていいリラックス法を見つける

── その人の生活のスタイルによって、よりリラックスする方法というのは沢山あるので、一概にこれがいいからこれをやるっていう風に一つに縛らない方がいいんですね。

萩原:そうですね。ある方は美術館に行ってその絵を見ると、すごくリラックスするとか心休まるとか、そういう方もおられますし、ほんとに人さまざまでそれを見つけるっていうのが大切かもしれませんね。

── スポーツ選手だけじゃなくて、仕事とか、集中して何か結果に結び付けたい人こそ、逆にリラックスする時間を取る。どっちかだけではなくてそれを上手に使っていくということを頭に入れてるだけで違うかもしれませんね。

萩原:そうですよ。自分のそういう声を、意識というか理解していくだけでも全然違うと思いますね。

── 催眠療法でいろいろ学んでいることっていうのは、日常でやっているこのことはこういう言い方になるよとか、こういう表現の仕方があるとか、そういう風にいえるとか、自分で客観的に見れる材料になるっていう風に、私は感じることがあるんですね。知らないままで何かをやるっていうより、自分がやっていることをちょっと外側から、「あぁ、今はこうなんだな」とか、逆に「今はこういうリラックスしたい状態なんだな」とかいうのを客観的に見れることで少しまた楽になれるというか、そういう力をいただけるものだなぁと感じてます。

俯瞰して自分を客観視することが大切

萩原:本当にそう思います。いわゆる、主観的とか、あるいは客観的ですね。客観的にちょっと自分から離れてみる。それを俯瞰とか鳥瞰とか鳥のように上からみるとかですね。自分が自分を客観視するっていうことで客観的になれる。催眠状態に入っていって、本当に深い催眠と言うのは、そういうように自分から離れずに、その場面の中の自分に入っていってしまう状況になりますから、そこでそればっかりやっていると、非常に疲れたりとか、全体的に見られないので、ちょっと離れて客観視する、あるいは、鳥瞰、鳥のようになって上から見てみる。そういう事が必要だと思いますね。おっしゃる通りだと思いますね。

── そうしたら感情的につらい感情とか、過去の経験であったりしても、それをまた俯瞰して見れるっていう、そのきっかけ作りになりそうですね。

萩原:そうですね。客観的に見て俯瞰している場合には、つらい思い出もまるで映画を見るような感じです。本当に自分が主観的になってしまったら、その中に入り込んで映画の中の主人公になってしまいますから、辛いこととかいろいろなことが沸いてくれば、感情がすぐ高ぶってしまいますよね。客観的に見るということ。それは自分の中の過去のことだけじゃなくて、日常生活の中でもそういうような感情に流されそうなときは、ちょっと離れて自分を客観視してみる。そこが大切だと思うんですね。

── なるほど。最初にお聞きした時に、催眠療法っていうのは、最初の自分の持っていたイメージもあるんですけど、誘導してもらって催眠状態に入って、っていうことだったんですけど、今みたいな自分自身で俯瞰してみることが出来れば、自分で催眠状態に入って悩みとかを解決していくっていう方法をやっているっていう感じですよね。

萩原先生:ですから、みなさん自然にやっているんですね。それが上手くいかなくなっちゃうと、心が病むとか、そういう状況になるわけです。多くの人は意識しなくてもそういうことをやっている。催眠というのはそういうのを意識してみていきましょうっていうことです。で、他の人に対しても役立つことが出来るし、自分自身に対してもそれを使うことが出来る、ということになっていくわけですよね。

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